離婚時に父親が親権を勝ち取ることができるかといったご相談をよくいただきます。
基本的には、親権は母親が獲得することが非常に多くなっているため、父親が獲得するのは難しいのではないかと不安になっている方もいらっしゃると思います。
当記事では、父親が親権を獲得するためのポイントについて詳しく解説をしていきます。
◆父親が親権を獲得するのが難しい理由
2020年度の司法統計によれば、母親が親権者と定められたケースが93.8%となっており、ほぼ全てのケースにおいて母親が親権獲得者となっています。
このように母親の親権獲得の割合が高い理由としては、基本的に父親はフルタイムで勤務する一方で、母親はパートタイムや専業主婦として働いており、子どもの面倒を見る時間が長いということが理由となります。
そして子どもと接する時間が長い分、育児に関しては母親に軍配があがりやすいため、母親と共に生活することが望ましいと判断されやすくなっています。
◆親権の判断方法
基本的に親権をどちらが獲得するかは話し合いによって決めることとなります。
しかしながら、離婚においてこの親権問題は慰謝料に並んで揉めやすい原因となっています。
話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所の離婚調停内でどちらが親権者に相応しいかを中立的な立場から判断してもらうこととなります。
もっとも子どもにある程度の判断能力が備わっている年齢となっていれば、子ども自らが親権を選択することが可能となっています。
判断能力が備わっているとされる目安は大体13歳以上と考えておけば十分でしょう。
◆父親の親権獲得が認められやすいケース
親権は子どもの養育上、子どもにとってより良い環境が選択されることが重要となります。
そこで、母親の監護状況に問題がある場合には、父親が親権を獲得しやすくなっています。
具体的には、以下のような事情がある場合です。
・母親が子どもを虐待している
・母親が育児を放置して遊び歩いたり不倫をしている
・食事を与えない、何日も同じ服を着せる、お風呂に入れないなどのネグレクト
・母親に薬物依存などの犯罪歴がある
・母親が重度の病気となっている
・母親が行方不明になっている
◆父親が親権獲得を目指す上でのアピールポイント
●子どもと過ごす時間をしっかりと確保できること
冒頭で、親権獲得において母親が有利とされる理由として、子どもと接する時間が長いということを解説しました。
しかしながら、父親であっても会社からの理解をしっかりと得ることによって、子どもの送り迎えであったり、接する時間を増やすことは十分に可能となっています。
また、父親の場合には、フルタイムで勤務していることがほとんどであるため、平日の日中に関しては、父親側の祖父母が面倒を見られる状況であるという点もプラスに働く要素となっています。
もっとも、婚姻中に平日にあまり子育てに励んでいなかったり、土日であっても子どもと接する時間が短かったというような事情がある場合には、環境を整備することができても、判断の際にマイナスとなってしまう可能性があるため注意が必要となります。
●父親と暮らす方が豊かな生活を送ることができること
基本的に父親と母親を比較した場合には、父親の方が収入が多いというパターンがほとんどとなっています。
子どもは成長するにつれて何かとお金がかかってくるため、父親と生活することで経済的な面において有利であるという点は、アピールポイントの1つとなるでしょう。
●しっかりと面会の機会を設けること
離婚することになっても、子どもにとって母親であることに変わりはありません。
子どもも母親と会えないとなると、寂しい思いをさせてしまう可能性が非常に高くなっています。
そこでしっかりと面会の機会を設けるという点もアピールポイントとなります。
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親権獲得を含む離婚問題で現在お困りの方は、一度ご相談にお越しください。
離婚時に父親が親権を勝ち取ることはできる?
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